2015/04/07(火) 掲載
グリーンの速さ
「東建ホームメイトカップ」で選手泣かせと言えば強い風と止まらないグリーンですが、大会中のグリーンはいったいどれくらい難しく仕上げらているのでしょうか。
グリーンの速さは「スティンプが9フィート」というように表されますが、スティンプとはどういう意味かを英和辞典で調べてみても載っていません。
専用の計測器具をスティンプメーターと言いますが、これを考案したエドワード・スティンプソン氏の名前がその由来になっているのです。
スティンプメーターは長さ90cmくらいで断面がV字形の金属製のレールです。
手前の端近くに小さなくぼみがあってそこにボールを乗せるようになっています。
片側を地面に置き、手前を少しずつ持ち上げていくとやがてボールが転がるので、そのときグリーン上を転がった距離を測ります。例えばスティンプが9フィートなら、ボールが約2m70cm(1フィート≒30cm)転がる速さということになります。
トーナメント期間中は毎朝スタート前に計測を行ないます。
なるべく平らな場所を選び4方向に転がしてその平均値を取ります。これを18ホール全部と練習グリーンで行ない、さらにその平均を取るのです。
アマチュアの方がプレーするグリーンはスティンプ8〜9フィートくらいが平均的で、10フィートになるとかなり速く感じます。
これに対して「東建ホームメイトカップ」のグリーンは例年12〜13フィートくらいまで速く仕上げます。
普通のグリーンで2m70cm転がる強さで打ったら3m90cm、つまり5割くらいよけいに転がってしまうわけです。
いかに速いかイメージして頂けると思います。
ちなみにこの数値は他のトーナメントとほぼ同じで、ツアーの中で特別に速いというわけではありません。
しかし、「東建ホームメイトカップ」は開幕戦ですので、オフシーズンの遅いグリーンに慣れてしまっていると、いきなり速度差の大きなグリーンが難しくなります。
次回は、グリーンの固さ(コンパクション)について取り上げたいと思います。