2018/03/29(木) 掲載
今年は選手会長として、6年振りに出場の石川遼選手
JAPANゴルフツアー開幕戦として、毎回注目を集める東建ホームメイトカップですが、今年の大会は例年にも増して盛り上がりそうな予感があります
その理由は、2012年以来、6年振りに石川遼選手が東建多度カントリークラブ・名古屋に帰ってくること。
思い返せば、今からちょうど10年前、2008年の東建ホームメイトカップが石川選手のプロデビュー戦でした。
その前年、アマチュアとして出場した「マンシングウェアオープンKSBカップ」で、15歳8ヵ月の史上最年少優勝を果たした石川選手のプレーを一目見ようと、東建多度カントリークラブ・名古屋には連日大勢のギャラリーが詰めかけました。
石川選手の組について回るギャラリーも多く、プロアマ大会の日ですらグリーンの周りは人垣でびっしり取り囲まれ、まるで本戦の最終日の最終組かと見紛う程でした。
異例の動員数には関係者もびっくりしましたが、一番驚いていたのは他ならぬ石川選手本人。高校1年生で並み居るプロを打ち負かした天賦の才能の持ち主と言えども、さすがに緊張を隠せない様子でした。
しかし、持っている男は違います。初日、2日目は同じ組で回った歴代優勝者の藤田寛之選手、上田諭尉選手と互角以上の戦いを繰り広げ予選ラウンドを1位で通過。3日目も首位を守り、最終日最終組でツアー初出場初優勝の快挙に王手をかけたのです。そして、迎えた最終日は、1番ホールでダブルボギーを叩いてつまずいたものの、過去最多の1万5262人のギャラリーの応援を背に最後まで諦めないプレーで5位タイに踏みとどまり、デビュー戦としては上々の成績を収めました。
その後の活躍はご存じの通り。デビューイヤーで賞金ランキング5位に入ると、翌2009年は年間4勝をマークして史上最年少の19歳で賞金王の座につき、2013年からは米ツアーに本格参戦
2016年には腰痛を発症して長期離脱するなど、調子を落とした石川選手は米ツアーから一時撤退。今シーズンはJAPANゴルフツアーを主戦場に選び、捲土重来を期すことになりました。それでも、昨年11月の「カシオワールドオープン」では2位に入り、今年初戦の「SMBCシンガポールオープン」でも2日目を終えて首位タイにつけるなど、復調の兆しがあります。
今季は、史上最年少の26歳で選手会長に選ばれ、プレー以外でも重責を担います。就任記者会見では「1試合でも増やす。1%でも視聴率を上げる。1をテーマにしたい」と話していましたが、選手会長としての職責を果たすだけでなく、自身のプレーで1番になりたいという意気込みも込められているはずです。
これまでの実績やコースとの相性を考えても、石川選手が開幕戦の優勝候補であることは間違いありません。スタートダッシュを決めて、2度目の賞金王へ向けて突っ走れば、JAPANゴルフツアーも盛り上がるはずです
2008年のデビュー当時はハニカミ王子と言われていた
高校生プロも今や選手会長。
ゴルファーとしても人間的にも一回りも二回りも
成長した石川選手のプレーに乞うご期待です