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大会ダイジェスト(2016年第24回大会)
予選1日目 4月14日
同学年のライバル同士が、互いに譲らず首位タイに
この時期の多度は、まだ冬と春の境目で、雨のあとは冷たい風の一日になることが多いのですが、今日は暖かい風が吹きました。しかし、およそ半分の選手にとってやさしい風ではなかったようです。
雨が上がったばかりの朝方はほぼ無風で、この時間にスタートできた選手は幸運を噛み締めながらのラウンドだったに違いありません。いつもの年のように手がかじかむこともなく、打球が風の影響を受けることもなく、さらに雨でゆるんだグリーンはボールをやさしく受け止めてくれたからです。
さらに幸運だったのは、永野竜太郎選手と重永亜斗夢選手です。1988年、熊本県生まれ、同郷同学年の2人は初日・2日目と同組にペアリングされて、お互いが良い刺激を受けながらのラウンドとなりました。今日のラウンドは、永野選手が先にバーディーを奪うと、重永選手が取り返す展開となり、最終的には両者とも6アンダーまでスコアを伸ばし、首位で並んで初日を終えました。
3年間務めた選手会長を譲り、クラブとウェア、ヘアスタイルまで一新した池田勇太選手は5バーディー・ノーボギーの完璧なゴルフで1打差の2位タイ。本大会に過去8回出場してベスト10フィニッシュ4回、予選落ちなしの相性の良さは相変わらずで、初優勝をねらうには絶好のポジションに付けています。
午前スタート組は多くの選手が攻めのゴルフでスコアを伸ばしましたが、風が強まった午後スタート組は我慢のゴルフを強いられました。トップと3打差圏内の上位18人の中に、午後組がわずか4人しかいないことが苦戦を物語っています。その中で気を吐いたのは松村道央選手。グリーンを外してもアプローチとパターでカバーする良い流れを作り、チップインイーグルひとつ、バーディー5つを奪い、午後組トップの5アンダーをマーク、池田選手と並ぶ2位タイに浮上しました。
さらに、トップと2打差の4アンダー、5位タイには地元の高山忠洋選手ら7人、3打差の3アンダー、12位タイにはアマチュア大学生の亀代順哉選手ら6人が続く大接戦から抜け出すのはどの選手か。明日の予選第2ラウンドも目の離せない一日となりそうです。
予選2日目 4月15日
永野選手は一歩後退、金庚泰選手が首位浮上
汗ばむ程の陽気に恵まれた昨日とはうって変わり、肌寒さを感じるまで気温の下がった今日は、平均ストロークも下がりました。ベスト10のスコアは昨日の4アンダーから2アンダー、カットラインは1オーバーから4オーバーになり、全体のスコアが2〜3ストロークずつダウンした勘定です。
文字通り、割りを食ったのは前日の午後スタートで、今日は午前スタートを割り当てられた選手たちです。
「今日は午前スタートで風がなくて有利かと思ったら朝から強風でした。こんなことは珍しいんじゃないですか」と目を丸くしていたのは武藤俊憲選手。なんとか今日1アンダーで上がってきたものの、2日続けての気の抜けないラウンドに疲労困憊気味でした。
午前組でスコアを伸ばしたのはその武藤選手を含めて4名。このうち武藤選手と山下和宏選手は仲良く1オーバーからイーブンにスコアを戻しました。わずか1ストロークですが、全体のスコアが下がっているので、順位は53位タイから19位タイへ急上昇し、優勝をうかがえる位置に割り込んできました。
一方、午前組最上位だった松村道央選手は5アンダーの3位タイから2オーバー7位タイへと三歩後退。しかし、何が起こるか分からないこのコースでは、首位と5打差は十分優勝圏内と言えます。
風は午後になっても止まず、午後組も結局ほとんどの選手が昨日のアドバンテージを吐き出しました。
初日を終えて首位に並んだ永野竜太郎選手は、4バーディーを奪ったもののボギーの数がそれを上回り、6アンダー1位タイから5アンダー2位へ、重永亜斗夢選手は2バーディー・5ボギーで3アンダー6位まで順位を下げてしまいました。
代わりにトップに立ったのは昨年賞金王の金庚泰選手です。「イーブンで良い」と気負いなくプレーした結果が、1イーグルを含む67で文句なしの今日ベストスコア。ツアー最強選手が初優勝を目指す2人の前に立ちはだかります。
この他、池田勇太、片山晋呉両選手らが首位と3打差の3位タイで並び虎視眈々。また、今大会注目の学生アマ、亀代順哉選手はダブルボギー2個、ボギー4個と苦しみながらも4オーバーで予選を通過。明日も豪快なドライバーショットでギャラリーを楽しませてくれることでしょう。
決勝1日目 4月16日
逃げ切り態勢の金庚泰選手、追撃する近藤共弘選手ら
アマチュア時代は「鬼」と呼ばれ、2010年に韓国人初の日本ツアー賞金王。昨年は年間5勝を挙げて2度目の賞金王を獲得した金庚泰選手は、今シーズンも文句無しの最強ゴルファーと言って良いでしょう。
その金選手の今日のラウンドは、3日間で一番多くグリーンを外したものの、アプローチとパッティングの巧さでカバー。スコアを4アンダー、67にまとめ、トータル11アンダー、2位との差を4ストロークに広げ独走態勢に持ち込みました。
しかし、やすやすと金選手を勝たせてはならじと、最初に名乗りを上げたのが近藤共弘選手です。特にラウンド前半はショットが好調。ショットのイメージが出にくくなった終盤以降もアプローチとパッティングでカバーして、出場選手中最多の8バーディー(1ボギー、1ダブルボギー)を奪うなど、金選手を上回る5アンダー、66の好スコアをマーク。明日の最終日は、トータル7アンダー、2位タイからの逆転優勝をねらいます。
初日に首位を分け合った永野竜太郎選手と重永亜斗夢選手は、調子が上がらないところを集中力でカバーして、近藤選手と並ぶ2位タイを死守して優勝戦線に踏みとどまりました。
明日、金選手と近藤選手のどちらかが勝てば大会初優勝、永野選手と重永選手のどちらかならツアー初優勝。4人の選手が「初」を掛けて激突します。
この他、今日スコアを伸ばしたのは、薗田俊輔選手(3アンダー、68)、I・J・ジャン選手(6アンダー、65)、K・バーンズ選手(2アンダー、69)など。これら3選手とトップとは7打差ありますが、「雨後風」の天気予報が当たれば、大逆転のチャンスは残されているでしょう。
決勝最終日 4月17日
波乱の最終日、金庚泰選手がプレーオフ3ホール目で近藤共弘選手を下す
悪天候により30分、さらに60分、開始時間が大幅に遅れたときから波乱は始まっており、その影響を大きく受けたのは金庚泰選手でした。
3日目を終えて2位と4打差は、安定感抜群の金選手にとっては、安全圏と言うよりも完全な独走パターン。しかし、朝から1時間半待たされたことで、ラウンド後半には「歩くのがやっと」と言う程体力が残されていませんでした。そのため、最終ホールでは2メートルの大事なパーパットを外してボギー。2打の貯金もあっという間になくなってしまいました。
一方、近藤共弘選手の追い上げは見事でした。今週初戦ながらアイアンショットが切れ、昨日に続いて8バーディーを量産。18番では8メートルをねじ込み、4打差から金選手とのプレーオフに持ち込みました。
72ホールでも勝負がつかなかったショットメーカー同士の直接対決は、そうかんたんに決着しません。18番の繰り返しで行なわれたプレーオフは、2ホール目まで両者譲らずパー。カップ位置をグリーン右手前に切り替えた3ホール目で、右ラフから寄せきれなかった近藤選手に対し、手堅くセンターから2パットで納めた金選手に軍配が上がりました。
「近藤さんのペースでプレーオフに入ったし、体力もなくなっていたので3ホールで決まってよかった」と薄氷を踏むような勝利に金選手は安堵の顔つき。また、近藤選手は「まだ課題がたくさんある中、ここまでやれたのは想定外。これからにつながる4日間でした」と満足げな表情を浮かべていました。開幕戦から全力を出し切った二人が、今シーズンの男子ツアーをひっぱって盛り上げてくれることでしょう。
この他、熊本出身の永野竜太郎選手が後半5バーディーで、首位と1打差まで追い上げて単独3位。重永選手も粘りのゴルフで4位タイを死守し、初日トップの意地を見せました。
なお、アマチュアの亀代順哉選手は、最終日4バーディー・ノーボギーの堂々としたプレーを披露。総合6位タイでベストアマを獲得しました。
最終成績
順 位 | 選手名 | スコア |
---|---|---|
1位 | 金 庚泰 | -13 |
2位 |
|
-13 |
3位 |
|
-12 |
4位 |
|
-6 |
6位 |
|
-5 |
11位 |
|
-4 |
15位 |
|
-3 |
17位 |
|
-2 |
24位 |
|
-1 |
29位 |
|
0 |
順 位 | 選手名 | スコア |
---|---|---|
35位 |
|
+1 |
39位 |
|
+2 |
45位 |
|
+3 |
49位 |
|
+4 |
52位 |
|
+5 |
56位 |
|
+6 |
59位 |
|
+7 |
60位 |
|
+9 |
61位 |
|
+10 |
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(提供/JGTO)