2日目は強風を味方に付けた藤田が前日35位タイから首位に立つ。

例年ゴルフシーズンの幕開けを飾るにふさわしい熱戦が繰りひろげられる、JAPANゴルフツアー開幕戦「東建ホームメイトカップ」。 第12回目の今大会は3月25日東建多度カントリークラブ・名古屋で幕を開けた。

初日は曇り空になったが、各選手は順調なスタートを切った。昨年の賞金王・伊沢利光と桧垣繁正の2人が7アンダーで首位に。

2日目は、朝から強風が吹き荒れ、厳しいコンディションとなり、各選手スコアを崩していった。上位陣が総崩れし、代わって首位に立ったのは、強風を味方に付けた前日35位タイの藤田寛之。2打差で桧垣繁正・尾崎将司らが続き、初日首位の伊沢は7位タイに後退の通算1アンダー、52位タイの63人が決勝ラウンドに進んだ。

3日目、前日のような突風はおさまったが、それでも風の影響でボールコントロールが難しく、スコアを伸ばした選手は2日連続で2人。 4アンダーの単独首位でスタートした藤田寛之は、3番ホールからの3連続ボギーを叩き、1アンダーの単独2位に後退。この日首位に立ったのは、韓国のチャーリー・ウィ。1アンダー7位からスタートし、通算2アンダーで日本初優勝を狙う。3位にはイーブンパーでラウンドした片山晋呉、初日首位の伊沢もこの日は1オーバーで粘りのゴルフを見せた。

最終日はドラマチックな逆転劇に。17番まで首位を守っていたチャーリー・ウィが、1打差首位で迎えた最終18番。第2打をグリーン奥に外したものの、巧みなアプローチでフォロー。大勢のギャラリーが見守る中、藤田は先に距離のあるバーディーパットを決め望みをつなぐ。対するウィのパーパットはカップを外れ、さらに返しの短いボギーパットも外してしまい、まさかの3パットでダブルボギー。優勝の栄冠はウィを1打差で迫っていた藤田のもとに転がり込んだ。「これまでに経験したことのない逆転優勝」と声を弾ませる藤田。ウィは「厳しすぎるが勉強になった。次も出るよ」と悔しさをにじませつつもリベンジを宣言。開幕戦をドラマチックに演出するエンディングとなった。